ともだち
彼女は食事の準備をしていた。二人の女友だちがあと1時間もすれば訪ねてくる。同じ高校の同級生。でもむしろ仲良くなったのは働くようになってからで、季節の変わり目ごとにそれぞれの自宅を順番に会場にして気ままな夕食会を開いていた。
『珍しいワインが手に入ったからね。』
三人の中では姉御肌のユイの台詞。思い出しながら冷蔵庫からチーズを取り出す。携帯の声は元気そうだったけど、実は先週失恋したばかり。こんな時どんな風に話せばいいんだろ・・・。
もう一人の友、サオリからメールが入る。
『ごめんなさい、少し遅れそう。』
おっとりして夢見がちな彼女にとって保育士という職業はまさに天職!毎日にぎやかな天使たちに囲まれて楽しそうだったのに、母親の具合が悪くって、故郷へ帰るか、このまま仕事を続けるか悩んでいる。
もちろん私は私でいろいろと問題抱えてる。今の仕事に行き詰まりも感じている。もっと人前に出て自分の能力をアピールしろと言われるけれど、そういうの苦手。
パスタはいい具合に茹で上がった。サラダもまずまずの出来映え。みなそれぞれいろいろあるけれど、今夜もいつものようにいっぱい食べて、いっぱいしゃべって、そして恒例のひとくちサイズのプチケーキをどれにしようかと選ぶ頃にはお互いすっきりしてるといいな。・・・そんな単純にはいかないか。ううん、単純でもいいじゃない!難しく考えるばかりじゃ息切れしちゃうよ。
最近買いなおしたカーペンターズのCDを流し、テーブルに小さな一輪挿し。三人それぞれのイメージカラーのランチョンマットを敷く。
二人の女友だちがあと少しすれば訪ねてくる。