ブランコ風(かぜ)

ブランコ風(かぜ)

久しぶりにブランコに乗ってみた。ゆっくりと揺らすと、耳や頬のあたりを通り過ぎるブランコ風(かぜ)が気持ちいい。季節が春から初夏にかけての夕暮れ時だったりしたら、なお素敵だ。少し強めにこいでみる、童心に戻って。ブランコ風も次第に勢いを増し、強風注意報!それでもムキになって体を大きく反らすと、「ちょっと気分が悪くなりそう警報」が発令。いかん、止めなければ。子どもの頃はなんともなかったのに。あんなに毎日ブランコこいでいたのに。

たいていの男の子たちは、誰がいちばん強く高くブランコをこげるかを競い合った。立ちこぎでこれでもかと得意顔して舞い上がる。それに飽きると今度は片足を青空めがけて蹴り上げ、靴の飛ばしっこだ。時にはサーカスをまね、時にはターザンになり、ジェットコースターのように体ごと風になる少年達。遠近感のない青空。太陽の光の残像。

あの頃は何であんなことが楽しかったんだろう。大きくなって家を建てたら、庭にブランコを置くんだと決めつけていたのはなぜだろう。もしかしたら、上下するブランコの上から、いつもの公園やあたりの景色が少しだけ違った角度から見えたのが面白かったせいかも知れない。それは風になったような気分。TVやゲームに頼らなくても想像力があればなんとかなった。想像力は創造力へと発展していく。きっと幸せもこの二つの「そうぞうりょく」次第なんだと思う。うちの子どもはどうなんだろう?ブランコ風に吹かれて、どんなことを思っているのだろうか。

Copy&Photo マツダシゲキ
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