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「はたらきたい。」

20090909.jpg 2年前のこと。次男が就職活動をしていました。なかなか内定が取れなくて焦りかけた頃、 機械メーカーがまだ募集をしていることを知り、ここなんてどう?と話すと心配そうに言いました。

「企業研究できてないし・・・」
企業研究ってナニ?

就職を希望する会社の業界や、会社そのものを研究して就職面接に臨むのだそう。へ〜え、なんだかねぇ。と思って、いろいろ話をしてみると、御社の強みはこうこうこういったところなので、そこに将来性を見いだしましたとかなんとか言わなくちゃいけないらしい。というか、言わなくちゃいけないと教わっているらしい。おまけに、その会社で何がしたいか、自分には何ができるのかを聞かれるらしい。

何かちがうんじゃないかと思いました。漠然とですが、就職面接ってそんなことを喋りにいくのではないように思いました。かといって、こうあるべきという考えがあるわけではありません。何が違うのか、自分の会社で新入社員の採用面接をするとしたらどうだろうと考えてみました。

面接にやってきた大学生が「御社の特長は・・・」とか喋り出すと、間違いなく「若造に何がわかるエラソウに」と思うでしょう。初対面の他人、おまけに学生に自分の仕事や会社について知った風なことを言われたくないというのが正直なところです。

また、何が出来るかを聞いても本当に出来ると思いませんし、やりたいことを聞いても一応希望は聞いておくよということで、じゃあ、やってなんてことには、まずならないですよね。

じゃあ、なんて言う人が欲しいかと考えました。結果、
「何が出来るかわかりませんが、与えられた部署で精一杯努力をして成長します。そして会社の役に立てるよう頑張ります。」
というところですか。

たかが大学生、経験したとしてもアルバイト。実際に使い物になるようになるまで何年もかかります。即戦力が欲しければ新卒じゃなくてもいいのだから、新卒を採るというなら育てる覚悟はできているはず。最初から仕事が出来るなんて誰も思っていません。

そこで何を言ったって、はっきり言ってチャンチャラおかしい。でもお互いに、何も聞かないわけにもいかないし何も言わないわけにはいかない。じゃあ、どうするかというと、「何でもやるか?」「何でもやります!」これしか無いでしょう。

「働きたいんです!」

これしかないと思うよ、と息子に話していたころ、ほぼ日刊イトイ新聞では「就職論」が連載されていたのでした。そんな連載があったことを知ったのは、およそ1年後に「はたらきたい。」が発刊された時でした。

ちょうどその頃、就職活動中だった末っ子が「はたらきたい。」を買って読んだり、次男とした話を聞いたりしながら、頑張っていました。私もそのうち読もうと思っていたのですが、先月、次男が持って行ってしまったので、図書館で借りて読みました。

今どきの就職活動・面接に対する違和感は、私だけではなく、多くの人が感じていることだったのですね。面接というからには聞かなくてはいけない。聞かれる事には答えなくてはいけない。礼儀は正しくなければいけない、だからこの角度でお辞儀をしておけば大丈夫。工業製品のように、人間が品定めをされているなんて、おかしいですよね。

そうそう、2年前の次男の面接はどうなったかというと、お陰様でなんとか潜り込み元気で働いています。迷惑をかけながら。

面接では予定通り、何が出来るか何をしたいか聞かれたそうです。で、勇気を振り絞って、「何が出来るかわかりませんが、与えられた仕事を頑張ります」と答えたそうです。面接官の一人は笑いながら「別にウチの会社じゃなくてもよさそうだね」と言い、年かさのもう一人は「でも、君の言う事は正しいよ」と言ってくれたそうです。

まずは、働くこと。とにかく、働くこと。

読んでみた本 :: 09-09-09 :: すえもとふさこ

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