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マニュアルvsモチベーション

20090521.jpg 今日のクローズアップ現代で「節約志向で人気の外食産業の舞台裏」というのをやっていました。全品280円の安売り居酒屋や、客足が激減した中華料理屋の巻き返しや、価格よりも国産であることを重視するモスバーガーが紹介されていました。中でも面白かったのが、徹底したマニュアル化で低価格を目指すチェーンと人に手間をかけさせることで客を取り戻した中華料理屋の話です。

すべてをマニュアル化して誰でも同じ料理が出来るようにしたチェーンは、野菜の洗い方から切り方、火を通す時間まで細かく指定してあります。ですが、野菜なんてものは季節や産地によって、また個々の特徴として火の通る時間が長く必要だったり短かったりするものなのです。それを、見た目優先であれば、火を通す時間で調整しますし、調理時間優先であれば切る大きさを調整します。

料理というのはそういうものなのに、それをすべてマニュアル化してしまうことで、返って同じものが出来なくなってしまうと思うのですが・・・。そのあたり、どう解決しているものやら。

それと対照的なのは中華料理屋です。ここは、チャーハンを特別の釜で誰でも作れるようにして業績を上げていったのですが、そのうち客足が途絶えてしまいます。そこで、客にアンケートを取ったところ、そのチャーハンに問題があったのです。

「温かくなかった」「べちゃべちゃしていた」

すべてをマニュアル化して誰でも作れるようにしたのですが、そのことが従業員のモチベーションを下げてしまって、きちんと手順を守らなくなってしまったことが原因でした。そこで、改めて手間をかける工程を加えて研修を行い、客足を取り戻したのでした。

思い出したのが、子どもたちが小学校だった時の運動会のダンスでした。その年齢に対して少し難しいと思えるような内容のダンスに挑戦した学年は、みんな生き生きとして演技をしていました。それに引き換え、年相応でない簡単な内容のダンスをする学年は、ダラダラと嫌そうに演技をしていました。

難しい演技だと出来なかったらいけないからと、指導する先生は安全な方法を取ったのでしょうが、そのことが子どもたちのモチベーションを下げてしまって、結果として簡単な演技なのにまともに出来ない。いえ、出来ないのではなく、しないのです。やりたくないのです、そんな幼稚な演技なんて。

それと同じなんですよね。ちょっと上のランクに挑戦して、出来た時の達成感が次の挑戦につながって人は成長していく。潜在的に向上心というものを持っているものなのでしょう。

それなのに、「この辺でいいから」と言われると、「この辺」ですら出来なくなる、しなくなる。だって、達成感も何にもありゃしない。頑張る必要も無い。これじゃあね。

さっきの中華料理屋さんは、料理というものは人が手間をかけなければいけないものだということがわかったというようなことを言ってました。

そんなことは、料理店を開業する前にわかっていて欲しいと思いましたけどね。
さあ、完全マニュアル化のチェーン店はうまく行くのでしょうか。多分、あんまり良い事にはならないような気がします。だって、想像しただけで美味しくなさそうです。なんだかエサっぽい。

コムツカシイハナシ :: 09-05-21 :: すえもとふさこ

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